2013/06/01

倉庫の手続きの巻

突然ですが、
今日はアトリエ倉庫の手続きの日でした。
ウッカリ忘れて電話が掛かって来て
慌てて行ったのが12時過ぎ。


どーん。

ま、そんな事だろうと半分予測はしてました。
それにしても2時までって結構休むね〜絶対昼寝してるよね〜
と思いつつ2時間後に出直しました。
             
どーん。
え!そりゃオカシイ!事務の人この辺に居るはず!
と1階に降りてみました。(事務室は2階なので)

すると何やら忙しそうな事になっている人達(といっても2人)が。
あ、ちょっと説明が必要ですよね。
今アトリエが借りている倉庫の管轄は漁協組合なのです。
これは漁師さんの知り合いがいないと出来ないこと。
ありがたいことです。

それで、事務手続きは漁協組合の事務室に行くのですが、
漁協組合は港にあるので、事務室も港なんです。
クアークアーってカモメの鳴く中で手続きです。
もうワイルド過ぎて感覚もマヒしてきます。
毎日こんななんで。

で、この水色の人に
「事務室の人、どこかにおりませんかねー」
って聞いたら
「おう、わしやわしや。」
とのこと。
「(え!)あ、あの倉庫の事で来たんですけど。」
「ちょっと待って〜シビ(鮪)が上がったもんでな。ごめんごめん!」

そう言いながらもシビを上げて、
周りの桶に水をジャージャー入れて、シビに氷を乗せて、
次から次へと漁師仲間に電話を掛けまくりです。

「和歌山の船がシビ上げたけど買わんか〜」

道路や電車だと遠いですが、
海づたいだと和歌山と三重は近いようでした。
ほんのすぐそこから来た、みたいな感じで、
陸とは違う世界があるんだなーと軽くカルチャーショックを受けました。
その間にも仲買人達からは芳しい返事がないらしく
水色おじさんはジャンジャン電話しています。

そうして私もなぜかシビの行方を見守りつつ待つ事30分。
ようやく2カ所で半分づつ売れることになったのでした。
ホッ。
釣った和歌山の漁師さんは日焼けし過ぎて赤鬼みたいでした。
最初すごい怖かったんですけど、
なかなか買い手が付かない様子を見ている内に
みるみる情けない顔になってしまって船に戻っちゃって途中可哀想でした。
予想外の時間に現れた赤鬼とシビだったらしく
事務の人も明らかに苦心していましたが、
それだけに売れた時はみんな嬉しそうでした。
よかったです。

その後すぐに解体が始まったみたいでした。
事務の人は解体の人に指示を出しながら、
私が忘れた書類をプリントアウトしてくれながら、
後になって買いたいと言って掛け直して来た人に対応したりして、
両耳に電話を当てながら口は解体チームという
もう、訳の分からない状態になっていました。
東京でも結構忙しそうな人を見掛けましたが、
あんなに同時に忙しそうな人は初めて見ました。
生ものが採れて、出荷されるまでってスゴい勢いです。
競りを見たようで面白かったです。
生き物を扱うってそう言う事なんだなーと思いました。

アトリエの現場も、のんびりやってるように見えると思いますが、
スタッフは実は毎回競りみたいな事だったりもするので
勝手にすごく共感して帰って来たのでした。
アトリエの競りの場合は(競りじゃないけど)
大変だったり忙しかったり、を顔や態度に出せないので
端から見たらよく分かんないと思います。
でもその日のみんなの心を読んだり、
瞬間的に欲しい道具や絵具を察知して渡したり、
話を聞いたり、愚痴を聞いたり、励ましたり、励まされたり、
天気によってその日の現場が違うとか、
そういうのもすごく今日の港の風景と近いなーと思いました。

何が近いのかなーと後でよく考えてみたら、
多分、あの瞬間みんながシビを一番いい形で活かす為に
一生懸命だったからだと思いました。
手早くシビを洗って、氷のベッド作って
欲しい人に電話して、丁寧に解体して
最終的に
釣った人も繋いだ人も買う人もみんなが喜んでいた様子は
ダウンズタウンの目標にしたい気にさえなりました。
よくわかんないですけど。

とにかく真っ黒に日焼けしたオジサン達が一生懸命な姿は
だいぶカッコ良かったです。

期せずしてそんな楽しい1日でした。
しかも、夕方スーパーに行ったら
「シビ 和歌山県産」という魚を発見!!!!
コレは絶対昼間のアイツだ〜と再会を喜び、思わず買ってしまいました。
なんか「シビ」ってドラマを最初から最終回まで見た気分です。
明日いただきます。

では最後にベッドイン中のシビさんを。
目が湖みたいですっごくキレイでした〜。