2011/10/17

BOOK PROJECT in MARSEILLE









ご報告が遅くなりました!

10月の15、16日フランスのマルセイユで
毎年恒例のブックプロジェクトが行われました。
中日新聞で紹介された記事はこちらから。

アトリエからは、敬子さん、肇さん、フミカ、
刷り師の尾上さん、絵本作家の菅野由貴子さん、
が出品しています。
そして今研修中のゆりあと、ゆりあ父も。
私も作りたいと毎年思いつつ・・・。
作品提出の〆切が夏の終わりなので、
毎年バタバタしたまま過ぎてしまいます。

ちなみに、
日本のコーディネーターは妹のフミカが担当しました。
フライヤーはフミカ作です。
そんな訳で、
今、現地には肇さん、敬子さん、フミカが駆けつけています。

アトリエは、毎年招待出品しているのですが、
今年は日本が招待国となっている事もあり、
国内から多くの作家が出品しています。

オーガナイザーはマルセイユにある Atelier vis-a-vis 。
私も何度かアトリエへ見学に行ったことがありますが、
世界の手作り本コレクションや、
見た事もない古いプレス機や、
名前も分からない機械がいっぱいあって、
相当ワクワクする場所です。
純粋に、わー!作品作りたい!と思います。

何よりアトリエを運営されているマダムウベダと
そのご主人(この方が古い印刷機マニア!)が
めちゃくちゃ面白くて、パワフルで、センスが良くて、
一緒にいるとお腹が痛くなる位笑っちゃうことばかり。

例えば、
ご主人がドイツで発見して購入した今は手に入らないプレス機。
アトリエに運んでみたら余りの大きさにドアから入らず、
プレス機の為に入り口の壁を壊して入れちゃった話などなど、
逸話はいくらでもあります。
そして
「そんな事しょっちゅうよ!C'est Normal!!」
と笑って話すご夫妻。

普段、肇さんと敬子さんを見ているので
日常の珍事には慣れていたつもりでしたが、
その話を聞いた時、さすがに
上には上がいるもんだ・・・と思いました。

でも実は、そんなウベダ夫妻が
自腹を切ってでも古き良き物を手に入れ、
残しているのには理由があって、
デジタルでは決して出せない作品のニュアンス、
手作りの良さ、作る時に感じる感覚、
それらを、
これから若い人たちが知りたいと思った時に
ちゃんと知る事が出来たり、
技術として使う事が出来るように、
将来的に、マルセイユに、
過去から現代までの版画の技法を学べる学校を作るという
大きな野望があるのです。
今、マルセイユ市と協力して頑張っているそうです。

その夢に私たちも共感しています。
そしてビザビもエレマン・プレザンの版画技術や、作品、
そしてDown's Townプロジェクトに共感して、
いつも応援して下さっています。
将来的には日本とフランスで交流しようね!と
カタコトのフランス語で大盛り上がり。
カタコトで盛り上がるって、相当高度な技です。

こんな関係が出来てから、
何年経ったか忘れちゃいましたが、
国を超えても、お互いの活動を応援し合ったり、
刺激を受ける仲間がいる事は、嬉しいものです。


刺激と言えば、昨日の情熱大陸に、
IsseyMiyakeの若手デザイナー、宮前さんが出演されていたので
思わず夜更かしして見てしまいました。
実は、宮前さんは、
私たちが今のプレ・ダウンズタウンの前身となる
エコールをやっていた頃、大変お世話になった方です。

エコールの生徒達はシーズン毎の展示会やイベントに
ご招待いただいていたのでした。
その時いつも、
みんなに洋服の事を丁寧に説明して下さったり、
お水を持って来て下さったり、
時には椅子をご用意下さったり、
細やかに気を配って下さっていたのが宮前さんでした。
テレビでは「笑顔の悪魔」なんて言われていましたが(笑)
確かにその頃から微笑みが絶えなかった宮前さん。

当時IsseyMiyakeではA-POCという新ブランドを、
私たちはエコールを立ち上げた時でした。
先方事務所の方はいつも、
「アトリエの皆さんに少しでも楽しんでもらえたら。」
「お互い若いスタッフ達同士、交流が出来たら。」
とご配慮下さっていたのでした。
子供達にとっても、私たちにとっても、
大変ありがたい事でした。

最近は少しご無沙汰していましたが、
昨日は久しぶりに宮前さんが頑張られている姿を見て、
私も頑張ろ!と思いました。
フィールドは違っても、
同世代が頑張っている様子を見ると、
刺激と励みになります。

陰ながらダウン達と応援しようと思います!






2011/10/12

来夏のTシャツ企画 始まりました!




皆さんこんにちは〜。
今日はいいお天気の東京です。

秋口、色々と立て込んでいるアトリエです。
無事、臨月に入ったヨシコさんです。
お腹を挟んでPCとの距離が日々遠くなっているので、
ブログの更新もままならなくなってきました。

さて、9月の話になりますが、
9/27日〜30日の間、
今、一緒にお仕事を進めさせていただいている
(株)豊島さんの2012年春夏の展示会へ行ってきました!




ショップの様に演出されている会場に
思わずお買い物をしたくなりましたが、そこはガマン。

と言うのも、この段階ではまだ売り物ではなく、
ここから様々なアパレル会社とデザイナーさん達が一緒になって
各ブランドの個性が加わった洋服になっていく、との事。

どーりで訪れている方々がオシャレな方ばかりと思いました!
様々なアパレルのバイヤーさんが大集合していたのでした。
完全に場違いな私たち・・・。

それら一切合切を担っている「豊島」さん。
人の名前みたいですが、会社の名前です。
余談ですが、今通っている助産院と提携している病院が
「豊島医院」というので、この時期、
サクマ君との会話がだいぶややこしかったです。

こちらは今回お世話になっている方のお一人、
東京本社の吉野さんです。
やる気満々のThe 営業マン!です。
各ブースを丁寧にご説明して下さいました。 
子供服も手がけているとのこと。
小さい洋服を作るのって案外大変なんです〜、というお話も。
フムフム、だからお高いのね、と納得。

バッグ類も手がけているそうです。
繊維の持つ可能性の幅広さにワクワクしました。

           
そしてそして、アトリエコーナーです。

今回作っていただいたのは、Tシャツやバッグのサンプル。
今後の展開については未確定の事が多いので、
まだまだ詳細はお伝え出来ないのですが、早速
「一緒にやりたい!」と仰って下さったブランドがある、とのこと。
ありがたいです。
嬉しいです。
お話が進むといいなーと思います。
そこは営業マンの手腕、だそうです。
豊島の皆さん、よろしくお願いします!

サンプルとは言え、
2週間弱で作ったとは思えない仕上がりに感激。
さすが繊維の会社!
何と言いますか、いい意味でのプライドを感じました。
ダウン症の人たちの作品は色彩が命なので、

「もし、色が出ない様であれば、今回、
アトリエとしては取り組む事は出来ません。」

という事は、生意気にも、
最初からお伝えさせていただいていたのでした。

コンセプトが伝わったとしても、作品の力が伝わらなければ、
ダウン症の方達の魅力が伝わらないも同然なので、
そこは、ついつい慎重、且つ厳しくなってしまう所です。
タグでは「ダウンズタウンプロジェクト」をご紹介下さっています。

なんと、
Down's Town tree や Down'sTown sketch Map 
のパネルも作って下さいました!
時間、本当に全然なかったのに!
貴重なスペースの中で、アトリエスペースを
こんなにも取って下さっていた事も、会場で知りました。
ありがとうございました。

このパネルにもありますが、
今回は「豊島」という会社の中の「Orgabits」という
オーガニックコットンを扱う部門との
共同プロジェクトになる予定です。

簡単にご説明しますと、
Orgabitsでアトリエの作品を使用したTシャツを制作して下さり、
それをアパレル企業とタイアップして販売、
利益の一部をダウンズタウンプロジェクトへご寄付下さる、
という流れです。
豊島さんは、あくまで繊維のプロなのです。
そういう意味では、
品質的にも安心して進められるお仕事になり、嬉しいです。

Orgabitsは、
世界の色々なところでオーガニックコットンを栽培したり、
それらを使って仕立てたり、
その利益で社会へ貢献したり、
お話を伺っているだけでもステキな取り組みを沢山されています。

ある日、
Orgabitsチームの溝口さんという方からメールをいただきました。
昔、ソトコトで特集されていたアトリエの記事をご覧下さったとの事。
そこでダウンズタウンプロジェクトの事を知り、
なんとか会社を通して力になりたいです、と、
とっても熱い内容だったのでした。

その後、名古屋本社からアトリエにお越し下さった溝口さん。
実際にお目にかかってみたら、
なんとも言えないゆるキャラ&とっても柔軟なお考えをお持ちで、
有り難い事に、お話はトントン拍子で進んだのでした。
こういう出会いがあった時、いつも、
アトリエやってて良かったなーと思います。

ちなみに、左が溝口さんで、右が吉野さんです。

溝口さんにお会いする度(もぐらに似てるなー)と思います。
今度お会いした時には、言ってみようと思います。
溝口さんとはそんな事を言い合える仲、と勝手に思っている私。

Down'sTownの冊子をご覧いただきながら、
「いいよね〜いいよね〜。一緒に何かやりたいね〜。僕らに何が出来るだろう?」
「いいっスねー、いいっスねー。」
とニンマリしつつ、
アイデアがどんどん湧いてくる様子のお二人。

右の方はデザイナーの富所さん。
この方に作品の決定から仕様まで、
ほとんどの部分をお任せする事になります。

信頼関係がなくては出来ない、アトリエとしても大切な部分です。
1度しかお会いしていませんが、
富所さんは、作品に関して厳しい目をお持ちと見ました。
安心です。

打ち合わせをしているうちに夜になったので、
ちょっと写真が暗くてすみませんです。



こうして一緒に夢を見て下さる方達がいる、
それが私たちの大きな原動力です。

すでに、Down'sTownはアトリエだけの夢ではない、
多くのご協力下さっている方とお会いする度、その事を実感します。
決して夢では終わらない、終わらせないぞ、と思います。
心強いです。

歩みはゆっくりですが、
確実に、協力者が増え、選択肢が増えています。
これはアトリエだけで出来るプロジェクトではない事、
あえて多くの方に関わり、支えていただく事で、
社会的な意義を持たせたい、ということは
立ち上げから考えていた事でした。

ダウンズタウンプロジェクトの実働をしながら、
同時に協力者の方々に伝えていく、という作業は、
ちょっと遠回りに見えるかも知れません。
多分、効率も相当悪いです。

でも、心の通った場を作る為には、
まずは私たちが関わって下さる方達と心を通わせること、
ダウンズタウンのイメージを共有すること、
そうしなければ、結局は
ダウン症の人たちや、周囲の人達にとって、
心地よい環境にはならないと思っています。

日々、アトリエで生徒達の様々な状況を見ています。
良くも悪くも、彼らにとっては環境が大きく作用するという現実を、
嫌というほど目の当たりにしています。
もし、現在の彼らを取り囲む環境が、
何不自由なく、穏やかなものであったら、
ダウンズタウンの為に動く事はしていないと思います。
そういう意味でも、
色々なご意見があるとは思いますが、
少なくともアトリエのスタッフには、
彼らを「守る」という意識を持って
様々なプロジェクトに関わる必要、責任があると思っています。
それだけ、ひとつひとつの企画には、
ダウン症の人たちの人生にとって、
いい方向にも、危険な方向にも転ぶ可能性がある、
という事でもあります。
いつも一番注意しているのは、その部分です。

幸い、アトリエの周囲には温かい心を持った方ばかりです。
私はいつも、色々な方とお会いする時、
これはダウン症の人たちが作ってくれたご縁だと思っています。
自分の事ではないと思うと、ちゃんとしなきゃ、と思いますし(笑)

ひとつひとつの出会いが、
アトリエのみんなにとって無駄にならないようにと思います。
本当に様々なジャンルの方とお会いしていますが、
後から思うと、
どれも自然なタイミングと形で繋がっている事が多いので、
不思議だなーと思います。


流れを読みつつ、流れに乗る、
そのことをいつも心がけています。
必要な勇気はダウン症のみんなが与えてくれます。

Orgabitsとのお仕事も、楽しく進むといいな、と思います。
詳細が決まりましたら皆様にお知らせしますね。
来年のお話なので、気長にお待ちくださいね〜。


さて、次の更新はいつになるやら〜。







2011/10/01

NHKのゆかりはん




皆さんこんにちは〜。
ヨシコのお腹チェック係のハルコです。

「くわいい〜〜〜!!(可愛い)寝てる〜〜〜!!なんで〜〜!!」

ハルコ先生は、ほぼ透視ですが、
時折、青い双眼鏡もお使いになられます。
その場合、双眼鏡をお腹にぴったり付けて
「ほ〜。」
と言ったらエコー終了。
これはほぼ毎日行われています。
どうやら子供は元気らしいので、よかったです。


最近フルーツが美味しいです。

先週、あっちゃんママ特製「いちじくのコンポート」をいただきました。
体が喜ぶとはこの事!と、今の私にはビンゴの味で、
自然な甘さ+平野さんの優しさが体に染み渡りました。
写真に撮り忘れちゃいましたが、
美味しい夕飯のおかずもお裾分けしていただいて、
とっても助かったのでした。
美味しい物をごちそう様でした!




そしてこちらは生マンゴスチン。
「インドネシアのお土産でーす!」と、
舞ちゃんのお家からいただきました。
普段お店で目にするのは乾かしてある物らしく、
生のマンゴスチンはなかなかお目にかかれぬ、との事。

た、確かに!
初めて食べる魅惑の味!
朝から一気にトロピカルな気分に〜。
貴重なフルーツをごちそう様でした〜。



それにしても
気持ちのいい季節になってきましたね。
温かい飲み物も嬉しいこの頃。

今朝窓を開けたら、
金木犀の甘酸っぱい香りが部屋いっぱいに入ってきて、
爽やかな目覚めでした。
大好きな香りなので毎年この季節はウキウキします。

今日はご近所の小学校の運動会が本番の様子。
朝から元気な声や音楽がアトリエまで響き渡っています。

花の香りと小学生の声に包まれて
今日もアトリエではみんなが元気に絵を描いています。


さてさて、
こんな季節には、アトリエも自然とお客様が増えます。

先週の水曜日、久しぶりに吉川さんが見えました。
通称「ゆかりはん」です。
ゆかりはんはNHKエンタープライズのディレクター。
3年前位からのお付き合いで、
たまにアトリエに遊びに(仕事かも?)来てくれます。
(ちなみに前回のブログで登場した
お皿を洗って下さっていたNHKの方とは別の方です!)

それで、その日の夕方、
ゆかりはんからこんなメールが届きました。
ちょっと嬉しかったので、ご紹介します。

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よし子さま 佐久間さま

今日はどうもありがとうございました。
帰り道、晴子ちゃんとあきちゃんと歩いていて、
いろんなことにきづかされました。

二人の身長が同じくらいだということ、
さよならをするときの二人の姿がとても美しかったこと、
そして相手にスピードを合わせてゆっくり歩くこと。
晴子ちゃんと腕を組みながらゆっくり歩くことで普段見落としてたり、
感じることのないことを感じとることができました。

しばらくぶりにアトリエに行けてよかったです。
前に進めないまま忙しさにかまけて、うじうじしていたのですが、
少し間をあけてよかったかもしれません。
やっぱり彼らの美しさは説明抜きに美しいと思うのです。
そのことを再度実感しました。


彼らが、よし子さん佐久間さんと関わりながら、
アトリエという場で生きている姿は、
いろんな方にやっぱり見てほしいと改めて思いました。
いい番組を見たあとって、私の場合ため息が出るんですが、
そういう、ため息がでるものを時間がかかっても作りたいと思いました。

また、お邪魔させてください。ビデオまたまわしてもいいですか…?

お体に気を付けて下さいね!

吉川ゆかり


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こういう情熱を持った方と出会うと、
よーし、私たちも頑張ろう、と思えます。
その方の思いを裏切る事のないようにしなくちゃ、と思います。

アトリエの周囲には、こういう、
私たちの背筋をシャンとさせて下さる方々がたくさんいて、
なおかつ活動を応援して下さっているので、
本当にありがたく思います。
つくづく、人に恵まれていると感じます。

自然とご縁が出来た方との出会いは、
細くても決して切れることがありません。
それぞれの方と、
果物が木で熟すように、
ゆっくりと時間をかけながら、
お互いの理解を深めてきたように思います。

特に、報道関係の方々の中には、
アトリエの事を知れば知るほど、
半端に撮りたくない、撮るならしっかりした作品にしたい、
と思って下さる方が多いので、
ゆかりはんのように何年も、
カメラの代わりにおやつを持って、
アトリエに通われる方が多いです。

その間は特にカメラを回すでもなく、
みんなと一緒にお茶を飲んだり、
おやつを食べたり、
もちろん制作を見学されたり。

一緒に過ごしてみる事でしか感じる事が出来ない、
見えて来ない彼らの世界があります。

人によって見えるものも違うので、
アトリエに通っているテレビ関係の方々は
それぞれに着眼点が違っておもしろいなーと思います。
それだけ色々な要素があるという事なのかも知れません。


ゆっくりじっくり時間をかけて、
いつか誰かに素敵な作品を作っていただけたら嬉しいな、と思います。
みんなが活き活きと生きている証を記録していただけたら、
それだけでも十分です。


ゆかりはーん、がんばってねー!