2013/09/19

ブドウ作りとアトリエの仕事




皆さんこんにちは~。
ブドウが美味しい季節になりましたね。

毎年この時期になると、
京都で頑張ってるみっちゃん夫婦を想います。
無農薬でブドウを作ってる高校の同級生です
私もちょっと果樹を勉強して知ったのですが、
果物を無農薬で作るって、ほぼ無理!
すごく手間暇がかかるので、
それで生きて行こうと思ったら、
特に若い世代ではやりたくても出来る人はいません。

そんな中で、
子供達が安心して皮ごと食べられるブドウを作りたいと言う、
本来当たり前で、今や難しい事に挑戦し続けているみっちゃん達には
感謝の気持ちと同時に、いつも刺激も受けます。
もうブドウが可愛くて仕方ないわ〜子供に思えてくるわ〜
ってすでに三人のお母さんの彼女はいつも言ってます。

手間暇って、結局愛情だよね〜って、
アトリエの仕事をしててもよく思います。
なんでこんな事まで?って思わず自分達で思う事も、
人からそう言われる事も多い私達の仕事ですが、
なんでって言われたら
「そうした方がいいと思うから」
としか言いようがなく。笑
分かってて手間を惜しむ事は勿体無い気がしちゃう性格なだけかも。

良くなると分かってるなら全力でやるし、
悪くなりそうなら止める事に力を注ぐ。

ひとり一人の生徒に対しても、
彼らを取り巻く環境に対してもそれは全く同じ。
アトリエの現場では毎日その二択に迫られる連続です。
それはダウン症のみんなとどれだけ真剣に向き合っているか、
日々の積み重ねがないと判断が難しいことです。
サクマ親父がブログでしつこく「一瞬一瞬が真剣勝負」
とか言ってますけど、あれ結構ホントなんですよねー。

この子にとっては成長の糧になるけど、
あの子にとっては負担になる、苦痛になる、
今日のこの子には制作の刺激になるけど、
昨日のこの子にはお節介になる、
お母さんがお迎えだったらここまでしないけど、
1人で帰る日だから気分が盛り上がって出来そう!
とか、レパートリーは無限大。

40人いれば40通りの性格
×その日の天気や、家庭での状態、体調、
クラスのメンバー同士のやりとり、
いろーんな事がヤミ鍋状態になってるけど、
スタッフは中身も味も大体あたりをつけていて、
何なら一緒にヤミ鍋の中で泳ぐ覚悟有り。
と、まあそんな具合に毎回進行しています。
食べて見たら予想以上に「美味しい!」というのがベストで、
大体、そうなってるのがみんなのスゴい所です。

ちょっと分かりにくいかも知れないんですけど、
こういう感じ、みっちゃん達のブドウ作りと似てるな〜と思います。
ブドウが伸び伸び育つようにしっかり畑と肥料を作って、
途中で虫がつかないように一生懸命手入れして、
太陽や雨の力を借りて、ブドウの力を信じて、
待つ時は、待つ。
少しでも放ったらかしたら虫に食べられたり、
病気になるから毎日畑に通って手をかけてやる。
病気になったブドウは食べられないから、
そうならない様に、ひとつひとつのブドウを大切に大切に育てる。
この、ちょっとでも放ったらかしにしたら育たない、
っていう所がポイントの気がします。
畑がアトリエでブドウがみんな、そんな感じがします。

アトリエでは指導はしませんが、
その代わりみんなの事をものっすごい観察しています。(笑)
少しの変化も見逃さない、それが一番大事だったりします。
変化に気付きながら、少し見守ったり、
ちょっと背中を押してみたり、
寄添って一緒に悲しんだり、喜んだり、怒ったり。
それもまた相手次第、タイミング次第ではありますが、
気付いていなくては何も出来ないので、
まずは気付いてあげること。
それだけで解決する事も沢山あります。
作品を見ているとまるで病院のカルテみたいだなーと思うことがあるのですが、
昔の作品も、その子がその作品を描いていた時に、
どんな気持ちの状態だったか、とか、どんな表情だったか、とか、
お家で夫婦ケンカが勃発してたらしい、とか、
鮮明に思い出す事が出来ます。

以前、サクマ親父と
「うちらのシゴトってイタコみたいだね」
って話してた時があるんですけど(笑)
たまーにそうなる時あるんですよね、
と言ってもイタコになったは事ないので、
正確には分からないんですけど。
感覚が同化しちゃうっていうか、
とにかく不思議な感覚になったは事いっぱいありますが、
段々それに慣れると不思議ですらなくなって、
基本イタコっていうか、ダウン症の人達の感覚みたいになって、
そうするとまたそこから違う事が見えてきたりするんですよねー。
って、
なんだか訳の分からない感じになってきたので
もうやめておきます。

何が言いたいかと言いますと、
今、アトリエではそんな現場スタッフを育てています、というお話でした。
次なるイタコスタッフはイサです。
私とサクマとはまた違った現場になって、
みんなの可能性が広がるんだなーと思うと、
私は正直、楽しみです。

サクマ親父にはなぜか外部からの要求が増えています。
きっと、今はそれに応えなくてはいけない時期なんだと思います。
それが今のアトリエ・エレマン・プレザンに求められている
社会での役割なんだと思います。
そうすることで、
少しでもダウン症の人たちの可能性が広がったり、
彼らが理解されずに不幸な目に会わないように、
そして沢山の人達に彼らの魅力を知ってもらう事で、
社会全体が豊かになるように、
私たちが願っているのは、いつもそれだけです。
その事を理解していただくのはとても難しい、
という事は、色々な場面で痛感してきました。
今、アトリエの実践から見えて来たことに、
少しでも耳を傾けていただけるようになってきたのであれば、
それをお伝えしなければ、と、感じています。
それは大袈裟でなく、彼らの命を守ることにもなるからです。

アトリエに参加されている方の中には、
教室の体制に変化がある事に戸惑う方もいらっしゃると思いますが、
今の私たちの動きが、後々のみんなの事を思ってだと言う事を
ご理解いただければと思います。
これまでにも色々な変化がありました。
その都度、みなさんと気持ちを合わせて、
子供達にとってより良い場になるよう進めてきたつもりです。
その思いはこれからも同じです。

みっちゃんちのブドウのように、
大切に大切に育ててきたアトリエと生徒たちです。
イサをビシバシ育てて(もう結構いい感じです)、
益々熟したアトリエにしたいと思います。
みんなに対する愛情はちっとも変わりません。
むしろ愛情あり余ってます。

ブドウもアトリエも子育ても、
愛情なくては何も出来ないなー
少なくともイイ仕事にはならんなー、と思う今日この頃。

さて、今日は昨日満月でほとんど悠太が寝てくれなかったので、
憂さ晴らしに髪を切ってきます。
5月から切りたかったんですけど、忙しくて行けず終い。
寝不足で車、事故らないように気をつけます。
先週、地味にぶつけたばかりなんですよね。
トホホ。車の事故って車共々凹みます!

ではでは 皆さん よい木曜日を〜。

悠太はいきなり
「あ〜ちょっと、ティッシュ。」と、
「あ〜結構アチーねー」
って言うようになりました。
これが待ちに待った二語文だとしたら、若干残念・・・。