2011/06/14

ご報告





皆さんこんにちは〜。
お元気ですか?
ピーターラビットです。

先日、お会いしたミゾグチさんから頂きました。
ミゾグチさんは豊島という会社で
オーガニックコットンを扱っているお方。
という事は・・・そうです!
このピーターラビットのジャケットにも
オーガニックコットン、入ってます。
なんて粋なウサギ!

さてさて、
東京は梅雨っぽい日が続いています。
昼間は蒸し暑く、夜は結構冷えるので、
アトリエでは風邪気味の子が増えてます。
皆さんも体調に気をつけてくださいね。   
             
             


それでですね、
今日は皆さまにご報告がございます。

私事ではありますが、
このたび新しい命を授かりました。
安定期に入り、もうすぐ6ヶ月を迎えます。
つわりは血を吐くほどの強烈なタイプ(?)でしたが、
今はお腹の子も私も、元気です。

すでに男の子と判明し、
ちょっとソワソワしています。
子供の頃は毎日、
男子達と木の上に基地を作ったり、
海に潜ってウニやタコを取って、焚き火して、
焼いて食べたりして遊んでいた私ですが、
それは5年生くらいからのことなので・・・
男兄弟のいない私には、
チビッコ男子がどんな感じなんだか、
全く未知の世界です。

今、アトリエのみんなから出ている名前の候補は、
「ワトソン」と「ハム太郎」です。
うーむ、究極の選択。
なにせ名字は「佐藤」ですからね。
ベタな名字に対して名前が斬新すぎる気が・・・。

そんな待望の妊娠が分かったのは、
震災の3日後でした。
すでにつわりが始まっていたところへ、
地震、余震、放射能というトリプルパンチ。

喜びよりも不安と戸惑いでいっぱいの中、
心拍確認の為、病院に向かった3月14日は、
電車もバスも機能せず、
駅は停電、道路は大渋滞、
ガソリンスタンドには長蛇の列という、
都内もまだまだ混乱している状態でした。

無事に育っていて欲しいという願いと同時に、
心のどこかで、
こんな時じゃない方が、この子の為にはいいんじゃないか、
という思いもありました。

今思えば、それは私の勝手な思いでしたが、
余震が落ち着かない状況の中、
アトリエの子供達に何かあってはいけない、
とにかく命だけは守らなくては、
というプレッシャーの方が大きく、
とてもとても、
自分のお腹で育っているかも知れないけれど、まだ分からない、
そんな儚い存在を守るだけの心の余裕と、
母親としての自覚が足りませんでした。
次の日からどうやって生徒達の安全を確保するか、
正直、その事で頭がいっぱいでした。

けれど、そんな私の思いとは裏腹に、
検診で見た私のお腹の中にはすでに、
ピクピクと小さな命がうごめいていたのでした。

あの瞬間の、
ホッとしたような、こりゃ大変な事になったぜ・・・
という複雑な思いはうまく言葉になりません。
何事もなければ、
ここは感動の瞬間だったんだろうな、と
切ない気持ちになった事を覚えています。

タクシーを降りる時、
運転手さんが声を掛けてくれました。

「こんな中で大変だと思いますけど、
 元気な赤ちゃん産んでくださいね!
 子供はいつだって希望ですから!」

嬉しくて涙が出そうでした。

その後、旦那兼、相方のサクマ君と相談をして、
私は体調と余震が落ち着くまで、
三重で一時避難する事になりました。

不安定な状況下で、
もし子供達を避難させる事になった時、
身重の私がいる事は、かえってアトリエの負担になる、
それより何かあった時にしっかり動けて、
なおかつ子供達がパニックにならないように、
日頃から慣れた学生達に手伝ってもらった方がいいだろう、
という判断でした。

私にとっては有難くも、辛い選択でした。
アトリエが大変な時に、
役に立てない自分が不甲斐なくて、情けなくて、
学生達だって怖い思いをしている中で、
私が避難してみんなに残ってもらうなんて申し訳ない、
なんでこんな事になっちゃったんだろう、
妊娠を夫婦でフツウに喜び合いたかった、
そんな想いが胸をぐるぐる渦巻いて、
三重に向かう近鉄の中で、
涙が溢れて止まりませんでした。

そんな時、私を支えてくれたのは、
声を掛けてすぐに駆けつけてくれた
学生のイサ、ゆりあ、ミヒロ。
そして温かい言葉と共に快く送り出して下さった
プレの保護者の皆さんの存在でした。
(プレは翌日からご迷惑をお掛けする事になるので
 一足早くお伝えさせてもらったのです。)

三重についてからもメールを沢山いただき、
ありがたい、という言葉では足りないほどでした。
なかでも、ある保護者の方から、

「アトリエの事は保護者も力を合わせて支えますから
ヨシコさんは何も心配しないで、今は体を大事にしてくださいね。
今、お腹の赤ちゃんを守れるのはヨシコママしかいないですから!」

というメールをいただいた時には、思わずハッとさせられました。

最近よく感じるのですが、
「親」というものは、
子供の存在があって初めて「親」になるんだな、ということ。
当たり前かも知れませんが、
自分が妊娠したところで、
その日から母親になれるものではないんだな、と。

ましてや妊娠が分かって2、3日では
体調は違っても、気持ち的には今までと変わりません。
その状態で仕事を差し置いて、
子供優先に考えて行動するのには、
想像力と勇気と決断力が必要だという事を知りました。

それでも、
保護者の皆さんや学生達から励まされるうちに、
お腹の赤ちゃんの為に協力して下さっている人達の為にも、
今の私はわたしに出来る事をがんばろう、
次第にそう思えるようになりました。
すでにみんなからこんなに大切にされて、
なんて恵まれた子供なんだろうと思います。

初めての妊娠+原発事故。
不安がないと言えばウソになります。

でも、アトリエには沢山のお父さん&お母さんがいらっしゃるので、
かなり心強いです。
お互い実家が東京でない私たち夫婦にとって、
いつでも何でも聞ける先輩方に囲まれていることは、
本当にラッキーな環境だと、つくづく感じます。

改めて、いまだ原発が収束しない中で、
命を育んでいく責任と、使命を感じています。
それでも、
このタイミングでやって来てくれた新たな命には、
何らかの意味があるはずと、信じたいと思います。
多分、強い子になると思います!

さすがに今日はマジメに書かせていただきましたが、
気持ちはすっかりポジティブです。
今や毎日ダウン症の子供達にお腹をさすられ、
話しかけられているので、
我が家の胎教はダウン語です。(笑)
サクマ君が毎日ごはんを作ってくれて、極楽です(笑)
お腹の中にどんな人が入っているのか、
今から出産が楽しみです。
予定日は11月4日です。


今後、関係者の皆さまには
何かとご不便をお掛けする事があるかと思いますが、
温かく見守っていただけましたら幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

PS, もう東京に戻っています!

                 佐藤よし子