2012/09/13

夏明け、豊島さんのお仕事


こんにちは。

残暑がキビシイですねー。
一瞬涼しくなってウッカリ油断した体にこの暑さ、
うーん、堪えます・・・。
皆さんはお元気でしょうか?

サルスベリの花も、
アトリエの傍に咲いていると思えないほど南国風味。


夕方の空は秋っぽいんですけどね。
おかしーなー。

さてさて、夏休みもとっくに終わり、
アトリエではみんなの夏休み報告大会が始まっております。
はい、自主的にです。
いやー40人近くいると、ホント面白いです。
聞いてるだけで色々な場所に行った気になれて
この夏ずっと東京に居た私達はお得なキブン。

で、ですね。
プレ初日、ハルコさんが衝撃的な物を持ってきてくれました。
夏のお祭りの輪投げで当たった商品らしいんですけども。

私「な、なんだこりゃ?!」

ハルコ「金メダル。ユータくんために。(ユータ君の為に)」

(これ絶対金メダルじゃないし・・・
 多分ロンドン五輪と何かが混ざったな。)

とか考えつつ、もう、何をどう突っ込んでいいのやら戸惑っていた私に更に一言。

「あげないけど。」

えええ!!!
な、なんか悔しい!!!
別に欲しくなかったけど急に欲しくなってきたー!!!

と心で叫ぶ私を横目に大仏、いや、金メダルをかじる我が息子。
なんかスゴい画でした。


もう一つの持ち物はこちら。
これ写真じゃ分かりにくいんですけどね、大きいんですよ・・・。
ちょっとリアル過ぎて怖いんですよ・・・。
毛とか生えてるんですよ、足に。

そしてこれを見たユースケ兄貴のひと言。

「なんだ。てんとう虫か。」

いやいやいやいや〜〜〜!!
しかも、なんだってなんだよ〜〜。

他にも
「スズムシはお尻が光ってミンミン鳴くでしょ。」とか
「ドイツ人は手でカレーを食べる。」とか
ま、ネタは色々ありますけど、ありすぎるので割愛します。

こうしてアトリエのおかしな日々は再開したのでした。


さて、9月に入って最初の展示はin人形町。

写真はですね、
展示の前に豊島オーガビッツ部隊である中村さんがご馳走して下さった
美味しすぎるお蕎麦屋さんを妹の旦那のフランス人が撮ったもの、です。
人形町は美味しそうなお店がいっぱいでした。
ご馳走様でした!!



義理の弟になったフランス人夫のバスチャンです。
決して怖い人ではないですよ。(笑)
奥は日大1年生のお手伝いマン「ガッキー」です。

やーこの日はアトリエもあったので、
当初の予定ではアトリエがサクマ、
搬入は私とユータ(9ヶ月)という
とんでもないスケジュールになっておったのでした。

 
9ヶ月って、こんなですからね、
この人が役に立ってくれる筈もなく。※レスラーではありません。

急きょ、
ちょうど結婚の挨拶に来ていた妹夫婦に頼み込み、
三重に帰る日の朝から働いてもらったのでした。
フミちゃん、バスチャン Merci beaucoup!!

会場はこんなに広く、

設営のおじさん達が頑張る中、

頑張ってくれた人たち。

おかげでなんとか落ち着きました。

ちなみにお隣はウミガメさんのプロジェクトでした。
展示終了間近に青いウミガメさんパネルが来たので、
アトリエ展示も変更というどんでん返しもあり。
青系の作品から赤系へ。
やー世の中には色々な活動があるのですね。
素敵な活動の数々を、豊島が応援している、というコトです。

今回は豊島展示会の中でアトリエコーナーを作らせていただいたのでした。
ここから、また次の展開に繋がる素になる展示です。

前々回くらいのブログで「豊島さんには思う事がある」と書きましたら
オーガビッツチームの皆さんがそわそわしてしまったらしく、
「ブログの注目度が急上昇しています(^-^)/」
とメールをいただきました(笑)

なので、今回はちょっと書かせていただこうかと。

豊島さんとのお仕事は、
2011年にオーガビッツチームの溝口さんという方から
メールをいただいた事がきっかけでした。
私や溝口さんがどんな気持ちで今回の企画に取り組もうと思ったのか、
当初のやり取りメールをちょっとご紹介したいと思います。

〜何回目かに溝口さんから戴いたメール〜
ご親切にご対応いただきましてありがとうございます!
そうなんです。
私たちはオーガニックコットンは直接自分たちで輸入しています。
現地の生産者は栽培を続けることが一番の目的なので、
オーガニッコットンがストイックなものとして
一部の人にしか受け入れられない状況には戸惑いを感じているのです。
素敵な素材だと思いますが、決してそんな神聖な素材ではないので、
もっともっと身近に感じられる素材にしていきたいと考えています。
それで、せっかく、様々な人々の係わりが見えやすい素材なので
製品まで色々な方々に生産にかかわっていただいて、
その過程が見えて楽しめるような服を作ってみたいと考えるようになりました。


〜私からの返信〜
オーガニックコットンのこと、大変共感します。
 なんだかアトリエの作品についても共通する気がします。
 ダウン症の人たちの作品は多くの方に感動していただけるのですが、
 その事で逆に「ダウン症はすごい才能があるんだ!」という、
 妙な距離が生まれてしまう事も多く、伝える難しさを感じる事も多いです。
 人の心を癒したり、ゲンキを与えたり出来る彼らの作品が、
 芸術分野で正しく位置づけられる事も重要ですが、
 もっと広い層の方に身近に感じてもらう事で、
 お互いが幸せになれる形があると信じ、模索する日々です。


こうして始まったオーガビッツとのコラボ企画を進める内に、
色々と考えなくてはならない事が出てきました。
なにせ、アトリエの作品を大量販売の商品に提供する事は初めてのこと。
それでも、
問題が出て当たり前、よっぽどマズい状況にならない限り、
ダウン症の人達の感性をたくさんの方に知っていただく、
という目的に絞って取り組んでみよう、やってみよう、
と決めていました。
この企画に取り組む事で、
ダウン症をお持ちの方も、そうでない方も希望を感じてくれたら、
作品を通して楽しい気持ちになってくれたら、
と、それだけを思ってスタートしたのでした。

色々な下準備をして、ようやく販売が始まってみると、
予想していた通り、周囲からは

「アトリエをたくさん応援したいのに、
 一つ買っても50円しか寄付されないんですね。

という声が届き始めました。

確かに、アトリエとしても
作品を提供している商品のタグ1枚50円分のご寄付をいただく、
という形については多少迷いがありました。
寄付額のことではなく、
作品が50円という様な印象は避けたい、
誤解を恐れずに言えば作品自体の価値はもっと高い、と考えているので、
そこはジレンマを抱えつつ取り組む事になりました。

実際には、
豊島の方々も、各ブランドの担当の方も
原画をお見せした瞬間、とても感動されて、
毎回そこからどんどんお話が進んでいきます。
打ち合わせも毎回楽しくて、おもしろいアイデアも沢山でます。
でも、作家がダウン症であるからか、
社会貢献枠での扱いになってしまいます。
ある意味、色眼鏡がかかってしまうというか、
残念だな、アトリエの力不足だな、
と思わされる場面が沢山あるのです。

もちろん、これは今回に限った事ではありません。
様々な企画をお受けする時に
いつも私達が抱え、ぶつかる課題です。


それでも、
溝口さんも仰っていましたが、
アパレル業界の中で、
1点につき50円をご寄付していただくと言うことは大変な事です。

プライベートなアトリエに対し、
今の会社組織に出来る可能性の中では画期的だということ、
お互いに全く違うジャンルの中でのコラボは、
簡単なようで難しい事がいっぱいあると言う事、
実際に取り組んでみて私達も、随分勉強させていただきました。
アトリエの目標は、
作品を提供する際にはお仕事としていただけること、
作家にもデザインフィーを支払っていただける事ですが、
(現在はご寄付の中からアトリエが作家に支払う形を取っています)

まだまだ道のりは長いんだろうな、と思います。
こういう事を繰り返す事で、少しづつ変わっていけばと思います。

それにしても、
豊島さんとのお仕事は素晴らしい収穫がたくさんありました。
(なんか終わったみたいですけども、まだまだ続きます!)
沢山の担当者の方々との出会い、
全国で商品を手に取って下さっている方々との繋がり、
そして何より嬉しいのは作家や、そのご家族の喜ぶ顔です。
こんな素晴らしいチャンスを下さった溝口さんには、
いつも「ありがとうございます」って心の中で言ってます。
そして私達のワガママをいつも聞いて下さる中村さんにも感謝です。

誰もやっていない事を進めるのには勇気がいりますが、
恐れて何もやらなければ何も変わらないので、
少しずつ、歩いていこうと思います。
今回のように、
豊島の皆さんや、様々なブランドの皆さんが一緒に考えて下さること、
これほど心強いことはありません。
周りから見れば小さな変化かも知れませんが、
オーガニックコットンや、
ダウン症の人達の感性のように、
柔らかな感性を受け入れる社会になっていくといいな、
そう思っています。

さてさて、長くなりました。
スミマセン。

今週末は雑誌GQの取材を控えております。
髙橋源一郎さんと再会出来るので楽しみです。
アメリカでは100万部売れている雑誌だそうです。

そして、来週は1週間三重へ。
ダウンズタウンの不動産巡りでございます。
こっそり行くつもりが気付けば7人の大所帯。
その中にはNHKのゆかりさんも。
来月結婚式でお忙しいと言うのに、
熱心なディレクターさんです。
ありがとうございます〜。


ではでは最後に
音楽をマジ聞きするのが趣味の息子。
近すぎ?